19921218

考えていることをつらつら書きます。

白空間

目が覚めたら

白のなか

私のほか

何事も存在しない

やがて

一本の赤いペンが

歩いてきて

線をひく

まっすぐまっすぐ

ペンは歩き続け

やがてその姿は見えなくなる

あとにのこったのは

無情なまでにまっすぐな

赤い線

私はその上に

片足をのせ

もう一方をすこしだけ

うしろにのせる

すると

どこからともなく

足音がきこえてくる

物にはない

あたたかい風が

白のなかに

吹いてくる

ぽんっと

肩をたたかれる

何者かもわからぬ

足音とともに

私は線の上を

あるいていく

足音の手は

私の手の

すぐそばにある

歩くたび

揺れる

右手と左手

触れるか触れないか

二つの手が駆け引きをはじめる

触れずとも

白を介して

足音が

足音の存在が

つたわってくる

あぁ

あたたかい

触れるか

触れないか

そんなことは

どうでもよかった

ただ

足音が

存在するという

ただそれだけで

私は

全てを

諦めることが

出来たんだ

醒めるな

醒めるな

醒めるな。